咲くやこの花館高山植物室には、数は多くないものの原種バラの鉢植え展示があります。園芸品種とは異なる素朴な花姿に加え、原種系統を維持しながら紹介している点も興味深く、2026年5月に観察した個体を記録としてまとめておきます。
ミヤコイバラ
Rosa paniculigera
ミヤコイバラは、日本に自生する原種バラの一つです。分布は本州では新潟県、長野県、静岡県以西、四国、九州とされ、京都周辺に多いことから都茨の名で呼ばれます。
花は白色の一重五弁花で、花径はおよそ2センチから3センチほどです。ノイバラに似ますが、やや遅れて咲く傾向があり、花も一回り大きく感じられます。写真でも、白い花弁と黄色い蕊の対比がやわらかく、原種らしい素朴な美しさがよく出ています。
ノイバラやテリハノイバラとの見分けは難しいものの、ミヤコイバラは花柱に毛があることや、托葉に腺毛があることなどで区別されます。変異が多く、近い仲間との判別が悩ましい点も、この種のおもしろさの一つです。
2026年5月20日に咲くやこの花館高山植物室で見た個体は、鉢植え展示ながら花つきがよく、白い小輪花をまとまって咲かせていました。数は多くないものの、日本の野生バラがこうして丁寧に維持展示されていることに、保存展示としての意味を感じます




2026.5.20 咲くやこの花館 高山植物室
ノイバラ、テリハノイバラ、ミヤコイバラの見分け方
岡山理科大学